住宅ローンに落ちた原因と対策は?事前審査と本審査別に解説

 

住宅ローンの利用をする前に「審査に落ちてしまったらどうしよう」と考えてしまう人は多いのではないでしょうか。

 

住宅ローンの審査には事前審査と本審査の二つがあります。それぞれの審査で何かしらの原因があって通過できないことがあります。
そこで、落ちる原因を知っておき対策することが重要です。

 

この記事では、事前審査や本審査に落ちる原因と対策、また審査に落ちてしまった人におすすめの住宅ローンの解説をします。

 

住宅の購入を考えている人はぜひ参考にしてください。

住宅ローンの事前審査に落ちる原因

 

住宅を購入する時にローンの利用は必要不可欠です。しかし、いざ住宅ローンを組もうと思っても金融機関の審査があります。
購入する物件が決まっていてもローンが通過できなければ購入できないので、元も子もありません。

 

住宅ローンの審査に落ちる原因は以下の通りです。

 

・信用情報に傷がついている

・完済時の年齢が80歳以上になってしまう

・フリーランスなど収入が安定していない

・勤続年数が短い

・他に多額の借入れをしている

・収入に対して借入額が多すぎる

 

上記6点の、事前審査に落ちる原因と対策をそれぞれ解説していきます。

信用情報に傷がついている

信用情報に傷がついていると事前審査の通過率は低くなってしまいます。
個人信用情報はクレジットカードのリボ払い、カードローン、自動車ローンなど様々なローンの返済に関する情報です。

 

事前審査では個人信用情報に支払いの延滞や債務整理の履歴がないかを確認されます。
もしローンの延滞や債務整理の履歴があれば、審査の通過は難しくなります。

 

個人信用情報に傷がついていると、いわゆるブラックの状態ですが、仮にそうでなくても支払いの延滞が1年間で4回以上ある場合には審査の通過が難しくなります。

 

対策としては過去にローンの滞納や支払いの遅延をしたことがある場合は個人信用情報を取り寄せて「異動」の記載がないかあらかじめ確認しましょう。
信用機関は主に3つあり、銀行系は全国銀行個人信用情報機関(JBA)、消費者金融系は株式会社日本信用情報機構(JICC)、カード系は株式会社シー・アイ・シー(CIC)です。

 

 

入手方法

手数料(税込)

全国銀行個人信用情報機関

HPで郵送請求

1,000円

株式会社日本信用情報機構

郵送、窓口、ネットから

請求可能

窓口500円

郵送、ネット1,000円

株式会社シー・アイ・シー

郵送、窓口、ネットから

請求可能

窓口500円

郵送、ネット1,000円

完済時の年齢が80歳以上になってしまう

住宅ローンの事前審査では借入時と返済時の年齢は重要視されます。
年齢が高過ぎると返済が難しいと判断されるので、多くの金融機関では完済時の年齢を「81歳未満」と定めています。

 

年齢が原因で審査に落ちそうな場合、親子2世代に渡って住宅ローンを返済する「親子リレーローン」の利用をすると事前審査に通る可能性は高くなります。
親子リレーローンでは完済時年齢が80歳以上でも審査に通過できることがあります。

フリーランスなど収入が安定していない

個人事業主やフリーランスで、収入が不安定だと見なされる場合は事前審査には不利になってしまいます。
フリーランスは会社員にくらべて景気に左右されやすく、信用度が低いと判断される傾向にあります。

 

金銭的に余裕のある返済計画を立てていたにも関わらず、事前審査に落ちてしまった人は、フラット35の利用を検討しましょう。
フラット35では職業が審査に影響しにくくなります。そのためフリーランスや個人事業主でも比較的審査に通りやすくなっています。

勤続年数が短い

勤務先での勤続年数が短いと事前審査には不利になってしまいます。
国内の9割以上の金融機関が勤続年数を事前審査で考慮しています。

 

もし勤続年数が短く、審査に通過できなさそうであれば、フラット35や勤続年数に制限のない金融機関もあるので対策として、検討してみてください。

他に多額の借入れをしている

車のローンやクレジットのリボ払いなどの住宅ローン以外の借り入れがあると、事前審査の通過が難しくなることがあります。
住宅ローン以外の借り入れがあると、年収に対して返済する金額が高すぎるようになってしまうことがあります。

 

対策としては借入可能額を計算するときには事前に他で借り入れているローンも加えて計算しましょう。

 

また、住宅ローンを借り入れる前に完済することをおすすめします。
完済させるのが難しい場合はリボ払いなどの利子の高いものから優先して返済してください。
利子の高い借り入れを行っていると信用力が疑われてしまうので、できるかぎり完済してから住宅ローンの申し込みをしましょう。

収入に対して借入額が多すぎる

収入に対して借り入れる金額が多すぎると審査が通過しにくくなります。
住宅ローンの審査には「審査金利」というものがあります。
審査金利とは審査上の金利のことで実際の金利とは異なりますが、事前審査では審査金利が使われます。

 

そのため審査金利に基づいた借入可能額が決められます。
したがって、借り入れられる金額の上限近くで審査に申し込むと、通過できないことがあります。
しかし審査金利は公開されていないので、自分の借入可能額がいくらか判明させるには店舗に相談する必要があります。

 

対策としては返済負担率を低くする方法があります。返済負担率とは手取り年収から年間でいくらローンを払うかの割合です。

 

例えば、返済負担率が30%の場合の年間で返済するローンの返済額は以下の通りになります。

 

 

手取り年収450万円

手取り年収500万円

年間住宅ローン返済額

135万円

150万円

返済負担率

30%

30%

 

 

多くの金融機関では返済負担率を重視しているので、なるべく低く抑えることで住宅ローンの審査に通りやすくなります。

 

また、返済負担率を下げるには住宅の頭金を増やすことが有効です。
あらかじめ住宅ローンを申し込む金融機関の返済負担率の目安を把握しておき、上限近くの金額ではなく、返済負担率に余裕がある金額を申し込みましょう。

 

頭金を増やせば借り入れる金額が少なくなり、返済負担率も下がります。
さらに金融機関からも「この人はちゃんと貯金がある」と認識されるので、審査に通過しやすくなります。
頭金の目安としては住宅の購入価格の1割~2割程度を支払いましょう。

 

また購入する物件を見直すのも有効な対策です。返済負担率が高くなってしまうということは現状の年収だとすこし支払いが厳しいということです。

 

そのため病気で働けなくなってしまったり万が一のことがあったりすれば、住宅ローンの支払いが滞ってしまう可能性があります。
そのため自分の年収で計画的に返済ができる物件を選ぶことは重要です。

■住宅ローンの本審査に落ちる原因

住宅ローンには事前審査のあとに本審査があります。事前審査よりも通過しやすくなっていますが、一部のかたは落ちてしまうことがあります。
本審査で落ちる原因は以下の通りです。

 

・健康状態に不安がある

・購入する担保の価値が低い

・事前審査と本審査で書類の内容が異なっている

・事前審査と本審査の間に転職をした

 

ここでは、本審査で落ちる原因とその対策について詳しく解説します。

健康状態に不安がある

持病を持っていて健康状態に不安なことがあると本審査の通過が難しくなります。本審査では「団信」の加入審査があります。
「団信」とは団体信用生命保険の略で、住宅ローンを借り入れた債務者が死亡または高度障害状態になったときに、保険金で住宅ローンの残債が完済される保険です。

 

団信ではほとんどの金融機関で加入することが必須なので、健康状態に問題がある人は本審査の通過が難しくなります。

 

健康状態に問題がある人はワイド団信やフラット35の利用を検討して対策しましょう。
ワイド団信では病歴がある人でも加入しやすくなっている団体信用生命保険で、通常の団信に加入できなくてもワイド団信には加入しやすくなっています。
しかし住宅ローンの金利が年間で0.3%ほど上乗せされてしまいます。

 

また、フラット35では団信の加入が任意となっているので、団信に加入しなくても申し込むことができます。

購入する担保の価値が低い

購入する物件が担保として価値が低いと融資をしてくれないことがあります。
本審査では購入する物件の書類を金融機関に提出し、担保価値について審査されます。
担保価値とは融資する金額に見合った価値のある物件かを確認するための審査です。

 

仮に住宅ローンを借りている人が返済不可能になってしまったときには、購入した物件は抵当権を設定している機関によって売却されます。
そのときに売却して得たお金を貸していた住宅ローンの返済に充てるので、できる限り回収できる物件でないといけません。
そのため担保価値について審査をしています。

 

もし担保価値が低いと見なされて、本審査に通過できなかった場合には借入額を減らすか、申し込む金融機関を変えることをおすすめします。

 

住宅ローンで借り入れる金額が担保価値と見合っていないと見なされるのであれば、見合った金額まで借入金を減らすことで本審査に通過しやすくなります。
また物件の担保価値はそれぞれの金融機関で評価する基準がことなります。
そのため申し込む金融機関を変えたら本審査に通過できるということがあります。

事前審査と本審査で書類の内容が異なっている

事前審査と本審査で書類の内容が異なっていると虚偽の申告をしたと見なされ、高い確率で審査に落ちてしまいます。

 

そのため書類の記載内容は必ず一致をさせましょう。
事前審査では書類の提出を求められることはありませんが、職業や年収の申告で誤った内容を伝えてしまうと書類の提出をしたときにかみ合わなくなり、審査に落ちてしまいます。
審査に落ちてしまわないように必要な書類を用意しておいて正しい情報を申告しましょう。

事前審査と本審査の間に転職をした

本審査の前に事前審査で申告した内容が変わるような転職や退職、廃業は避けましょう。転職などを行うと審査に落ちる可能性があります。

 

転職などは融資が実行された後まで控えておきましょう。住宅ローンでは事前審査、本審査、融資実行と段階が分かれています。
そのため融資実行前に審査で申告した内容と大きく変わる場合には信用力が疑われ、最悪の場合は審査自体が無効になります。

住宅ローンの審査に落ちても金融機関を変えれば通ることもある

住宅ローンの審査に落ちても、融資を受ける金融機関を変えると審査に通ることがあります。
審査の基準は各社違うため、1社で審査が通らないからといって住宅ローンが組めないとは限りません。

 

審査の緩い金融機関は基本的にありません。
条件が一部緩和されている代わりに金利が高いなどの工夫がされています。
しかしその中でもおすすめの住宅ローンはあり、以下の通りです。

 

・勤続年数に縛りがない住宅ローン

・ペアローンを活用できる住宅ローン

・ワイド団信

 

ここではおすすめのローンを3点紹介します。

勤続年数に縛りがない住宅ローン

勤続年数に縛りがないローンはいくつかありますが、その中でもおすすめのものを紹介します。
いずれも融資条件が緩和されていながらも金利をなるべく低く抑えられている住宅ローンです。

・フラット35(住信SBIネット銀行)

住信SBIネット銀行のフラット35は保証型となっています。保証型では住信SBIネット銀行が貸し手となり、一般的なフラット35よりも金利が低くなっています。
頭金を最低1割以上支払うという条件はありますが、金利が1.2%となります。
さらに頭金を2割以上支払うと1.1%で下がります。

 

申し込むのに勤続年数の縛りがなく、勤続年数が1年未満でも申し込めます。
1年未満の人が申し込む際は勤務先から発行された給与証明書とすべての職歴が書かれた職経歴書が必要になります。

・新生銀行

新生銀行も勤続年数に、制限を設けていないので、勤続年数が1年未満でも申し込むことができます。

 

新生銀行の住宅ローンでは金利が低く、トータルでかかる諸費用も抑えることができます。
諸費用は変動金利の場合は借入額の2.2%がかかってしまいますが、固定期間選択型の住宅ローンの場合は税込11万円で他社に比べるとかなり安くなっています。

 

 

金利

変動金利

0.450%

固定期間10年

0.750%

固定期間20年

0.900%

・auじぶん銀行住宅ローン

auじぶん銀行住宅ローンも勤続年数に制限を設けていないため、1年未満でも職務経歴書を提出することで申し込むことができます。
いずれのプランも金利が低く設定されています。

 

審査のスピードが非常に早く、事前審査は最短で当日に、融資完了まで最短2週間となっています。
手続きがネットで完結するので自宅にいながら申し込みをすることができます。

 

 

金利

変動金利

0.310%

固定期間10年

0.395%

固定期間20年

0.805%

 

ペアローンを活用できる住宅ローン

返済負担率や借入可能額で事前審査に通らなかった場合には、ペアローンの利用をおすすめします。
配偶者の収入を合算して借り入れる金額を決めるため、借入可能額を引き上げることができます。

 

諸費用が2倍かかってしまうことやそれぞれで審査が必要などのデメリットはありますが、団体信用生命保険も住宅ローン減税もそれぞれ適用されるので、夫婦で働かれているかたにはおすすめの住宅ローンです。

 

ペアローンを借り入れる金融機関では「三井住友銀行」がおすすめです。連帯債務型の団信への加入となっていて、万が一の場合でも住宅ローンがゼロになります。
通常のペアローンでは連帯保証型となっています。
連帯保証型では夫婦のどちらか一方に、万が一のことがあった場合に、その人の残高に応じて住宅ローンが保証料から支払われて返済がなくなりますが、もう一方の住宅ローンは残ってしまいます。

 

しかし連帯債務型は万が一の場合が起こっても、どちらの住宅ローンもゼロになります。

ワイド団信

ワイド団信では健康状態が理由で一般団信に入れなかった人でも、ワイド団信には加入できる可能性があります。

 

一般団信だと持病があると加入が厳しくなりますが、ワイド団信では糖尿病や高血圧、脳卒中でも融資をした実績があります。
保険会社によって審査する範囲は異なりますが、ワイド団信であれば加入できる場合があります。

 

ワイド団信を提供している住宅ローンではソニー銀行がおすすめです。
通常ワイド団信の加入をすると金利が0.3%程上乗せされますが、ソニー銀行では0.2%までに抑えられています。

 

 

金利

変動金利

0.457%

固定期間10年

0.550%

 

まとめ

住宅ローンの審査に落ちることはそれほど珍しいことではなく、なんらかの理由で審査が通過できないことがあります。
通過できない理由には収入に応じて、借入金額が適切でないということがありますが、対策を取ることはできます。

 

したがって、しっかりと対策をすることで審査に通過しやすくなります。審査に落ちた原因を把握して対策を行い、適切な住宅ローン借り入れを行いましょう。

 

アイフルホームでは、理想の家づくりを実現するため、お客様に寄り添って提案いたします。どんなに些細なお悩みや疑問でも、お気軽にご相談ください。

 

※金利や制度は2021年11月時点のものです。

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