離婚したら住宅ローンはどうなる?ポイントや妻・夫が住むケースも解説

離婚したい人の多くは「まだ住宅ローンの残債があるけれど、どうしたらいいのだろう?」と不安を感じているケースも少なくありません。

この記事では、離婚したときに住宅ローンの残債がある場合の対処方法や、財産分与の考え方について解説していきます。

【この記事でわかること】

  • 離婚時に住宅ローンで最初に確認すべきこと
  • 離婚したら住宅ローンはどうなるのか
  • 離婚時の住宅ローンで後悔しないポイント
  • 離婚後に住宅ローンを処理する方法

離婚時の住宅ローンではじめに確認すべきこと

離婚時に住宅ローンをどうするかを検討するときは、住宅ローンと家の現状を正確に把握するところから始めます。

具体的に確認すべきことは、主に以下の3点です。

  • 住宅ローンの残債がいくらか調べる。
  • 現在の家の名義人を調べる。
  • 現在の家の不動産価値を調べる。

それぞれポイントを見ていきましょう。

住宅ローンの残債を調べる

まず、住宅ローンの残債がいくらあるのかを把握しましょう。なぜなら、家を売却した代金で残債が払えるのかを判断する際に重要となるからです。

住宅ローンの残高は、以下3つの方法でチェックできます。

  • 借入している金融機関のWEBサイト
  • 残高証明書
  • 返済予定表

順番に詳しく解説します。

<借入している金融機関のWEBサイトでチェック>

借入している金融機関のインターネットバンキングに登録し、そのWebサイトから現在の残高をチェックしましょう。

金融機関に出向く手間がかからず、いち早く残高を把握できます。

<残高証明書でチェック>

借入している金融機関から、1年に1度送られてくる残高証明書でローン残高を確認できます。

ただし、金融機関によっては自動発送のサービスがなく、契約時に発行手続きが必要な場合もあるので、詳細は金融機関に確認してみてください。

<返済予定表でチェック>

借入直後に送られてくる、返済予定表でも残債を確認できます。

返済予定表には毎月の返済予定日や返済額、返済残高が記載されているので、そこからローン残高をチェックしましょう。

返済予定表が手元に届いていない場合は、借入している金融機関に問い合わせてみてください。

家の名義人を調べる

離婚時は、家の名義人(所有者)も、調べておきましょう。親から相続した家などの場合、名義が変更されておらず、親の名義のままになっているケースもあります。

名義人の詳細は、法務局で登記簿謄本を取得すれば確認できるでしょう。名義人しか家を売却できないので、現在の名義が誰になっているのかを確認することは重要です。

現在の不動産価値を調べる

いくらで売却できるかを確認するために、現在の不動産価値を調べることも重要です。

売却を前提として不動産価値を調べる場合は、不動産会社に価格査定を依頼しましょう。なぜなら、固定資産税評価額や路線価格は実際の取引価格よりも低い場合が多いからです。

離婚したら住宅ローンはどうなる?

離婚しても、ローンの返済義務は名義人にあります。

話し合いの結果、家の名義が妻になったとしてもローンの名義が夫のままであれば、ローンを返済していかなければなりません。

ローンの名義人は、以下の4パターンのどれかに該当するケースがほとんどです。

  • 夫の単独名義
  • 夫の単独名義で妻が連帯保証人
  • 妻の単独名義で夫が連帯保証人
  • ペアローン(共同名義の連帯債務を含む)

まず、自分が上記のどのパターンに該当するか理解しましょう。

次に、以下の2つの事例について住宅ローンがどうなるのかを解説していきます。

  • ペアローンの場合はどうなる?
  • 連帯保証人の場合はどうなる?

順番に見ていきましょう。

ペアローンの場合はどうなる?

ペアローンは、夫と妻がそれぞれ債務者となる住宅ローンであり、お互いが連帯保証人になる場合がほとんどです。

したがって、元夫婦はこれまで通り継続してローンを支払い続けなければなりません。

連帯保証人としての関係も解消されないので、どちらか一方の返済が滞ってしまった場合は相手のローンを返済する必要があります。

連帯保証人の場合はどうなる?

住宅ローンの名義が夫の単独名義で、妻が連帯保証人になっている場合、離婚しても妻は住宅ローンの返済義務を免れられません。

元夫に滞納などが生じた場合には、連帯保証人である限り元妻が返済を求められます。

離婚時の住宅ローンで後悔しないためのポイント

前述の通り、離婚するときに住宅ローンが残っていると、さまざまな問題が生じます。ここでは、離婚時の住宅ローンで後悔しないために押さえておきたいポイントを4つ解説します。

  • 賃貸にして夫もしくは妻が住む
  • 連帯保証人を外す
  • 銀行に連絡しておく
  • 家の売却以外の財産分与で折半する

順番に見ていきましょう。

賃貸にして夫もしくは妻が住む

元夫婦の間で協議して、離婚後も返済を継続する元夫に対して元妻が家賃を負担して居住する方法です。

結果的に、元夫が支払うローン返済の一部を元妻が負担することになり、ローン返済が滞るリスクも減少するでしょう。

ただし、ローンが完済されるまでの間は元夫と連絡を取り続けなければなりません。元夫が、毎月ローンを滞らせていないかを確認するためにも必要な作業です。

連帯保証人を外す

離婚時に元夫名義の住宅ローンに残債があって、元妻が連帯保証人になっている場合は、なるべく早く連帯保証人から外れる手続きをしてもらいましょう。

元夫の返済が数ヶ月滞ると、連帯保証人である元妻に一括返済を求められる場合もあるので、この手続きは重要です。

銀行に連絡しておく

銀行には、離婚が成立する前に連絡しておかなければなりません。

連絡しないまま離婚してしまうと、ほとんどの銀行で契約違反となり、最悪の場合一括返済を求められる場合があります。

家の売却査定額で、ローン残債を払えない場合に任意売却できるか否かも、金融機関の協力が必要なため、事前に相談するようにしましょう。

家の売却以外の財産分与で折半する

通常、家を売却して残債を支払ったあとに残った現金を夫婦で折半します。ただし、どうしても家を残したいときは、家の半分の価値を相手に渡さなければなりません。

その場合は、分ける予定の財産の中から家の半分の価値に相当する分を相手に渡すことにより財産分与します。

分ける予定の現金や証券、車や調度品などで折半になるように調整してください。

離婚後における住宅ローンの処理方法

離婚しても子供の通学や自分の通勤を考えて、元夫婦のどちらかが今までの家に住み続けたい場合もあるでしょう。

ここでは、夫の単独名義で妻を連帯保証人に設定していた夫婦が離婚した場合の住宅ローンの処理方法について、以下の3つを解説します。

  • 妻が住む場合の住宅ローン
  • 夫が住む場合の住宅ローン
  • 家を売却する場合の住宅ローン

順番に見ていきましょう。

妻が住む場合の住宅ローン

妻が住む場合は、元夫がローンを支払い続ける家に連帯保証人である元妻が無料で住み続けることになり、トラブルが生じやすいパターンといえます。

前述の通り、負担の増えた元夫の返済が滞ると元妻に一括返済を求められるリスクもあります。

こうしたトラブルを回避する方法は、主に以下の3つです。

  1. 借入している金融機関で住宅ローンの名義を妻に変更する
  2. 住宅ローンそのものをほかの銀行にて妻名義で借り換える
  3. 住宅ローンの名義は元夫のままで元妻は賃貸として家賃を支払う

1、2については妻の与信状況が審査され、現実的には厳しい条件をクリアしなければなりません。3については、離婚後も定期的に元夫とのコンタクトを取り続ける必要はありますが、3つの中では最も現実的な方法でしょう。

夫が住む場合の住宅ローン

婚姻中も名義人であった元夫がそのまま住み続けてローンも支払う場合は、比較的トラブルが少なくわかりやすいパターンです。

元夫が継続して住み続ける以上、ほかの財産で家の半分の価値にあたる財産を準備しなければなりませんが、元夫にとってはそれまでとほとんど変化がありません。

ただし、元妻が連帯保証人になっている場合には、元夫の両親に変わってもらうなどして元妻の連帯保証を外しておきましょう。

家を売却する場合の住宅ローン

家を売却して住宅ローンの残債を支払えれば、残った現金を折半するだけで良いので、非常にわかりやすくトラブルも生じにくいでしょう。

ただし、問題となるのは売却額で完済できない場合であり、この状況をオーバーローンと呼びます。オーバーローンに陥った場合の対処方法は、主に以下の2つです。

  • 売却額でも支払いきれない分を自己資金で補填する
  • 金融機関の許可を得て任意売却する

さらに詳しく解説していきます。

<売却額でも支払いきれない分を自己資金で補填する>

家を売却するには設定されている抵当権を抹消しなければならず、そのためには残債を全て完済しなければなりません。

不足分を賄えるだけの自己資金があれば、足りない分のローンを自己資金で一括返済したあとに家の売却代金で抵当権を抹消できます。

<金融機関の許可を得て任意売却する>

任意売却とは、オーバーローンの状態でも金融機関の許可を得て売却し、売却代金を返済しても支払いきれない分を月々のローン返済で返済していく方法です。

任意売却は、通常の土地相場よりも低い売却価格になりがちです。しかし、自己資金を手当できない場合のオーバーローンに対応できる唯一の方法であるため、金融機関に相談してみてください。

離婚時の住宅ローンに関するよくある質問

ここでは、離婚時の住宅ローンに関するよくある質問を3つ紹介します。

  • 住宅ローンの支払いで養育費は相殺できる?
  • 住宅ローンがあるけど離婚したいときの最善策は?
  • 共同名義やペアローンの状態で離婚後に相手が死亡したらどうなる?

順番に回答していきます。

住宅ローンの支払いで養育費は相殺できる?

住宅ローンの支払いで養育費を相殺できる場合もあります。養育費を相殺できるのは以下のようなケースです。

  • 住宅ローンの名義:夫
  • 住宅ローンを返済する人:夫
  • 離婚後居住を続ける人:妻と子ども

この状況で、妻が夫に代わって払う住宅ローンで夫の支払う養育費を相殺することに双方が合意している場合は相殺が可能です。

一方で、以下の場合は相殺できないので注意してください。

  • 住宅ローンの名義:夫
  • 住宅ローンを返済する人:夫
  • 離婚後居住を続ける人:夫

この場合、夫が払う住宅ローンは自分が居住するために支払われるので、養育費の相殺対象とはなりません。

住宅ローンがあるけど離婚したい時の最善策は?

離婚時に住宅ローンを完済するのが、以降のトラブルを回避する最善策です。

家の売却代金で住宅ローン残債を完済し、残った現金やそのほかの財産を折半できれば、それ以降のトラブルはほとんど生じないでしょう。

共同名義やペアローンの状態で離婚後に相手が死亡したらどうなる?

共同名義の状態で離婚後に相手が死亡した場合、元夫が団体信用生命保険に加入していれば、元夫の相続人・元妻の返済義務はなくなります。

また、家は元夫の相続人と元妻の共同名義になります。所有形態が持分共有などの場合、相手方の承認が得られないと売却できません。

ペアローンの状態で離婚後に相手が死亡した場合、元夫が団体信用生命保険に加入していれば元夫の返済義務はなくなります。ただし、元妻の借入分は返済義務が残るでしょう。

また、家は元夫の相続人と元妻の共同名義になります。

離婚後はすぐに住宅ローンの処理方法を考えよう

住宅ローンの返済中に離婚を決意したら、まず金融機関に相談しましょう。その上で、離婚時の完済をなるべく優先した方が良いでしょう。

重要なポイントは、離婚後のトラブルをいかに少なくするかであり、婚姻中に抱えた負債はなくしておくのが最善策です。

どうしても住宅ローンが残る場合には、どちらかの単独名義にした上で連帯保証を外しておくと良いでしょう。

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