平屋のメリット・デメリットとは?人気の理由や2階建てとの比較も紹介

この記事では、2023年現在で注目を浴びている平屋のメリットやデメリットを解説していきます。平屋が注目されている理由は、フロアの上下が不要な点です。

ワンフロアの暮らしは、家族のコミュニケーションが取りやすい上に、幼児からシニアまでどの世代にも生活しやすい住空間を提供してくれます。

そこで本記事では、平屋のメリット・デメリットに加えて、2階建てとの比較を交え、人気の理由を検証していきます。

【この記事でわかること】

  • 平屋とは?
  • 平屋のメリット・デメリット
  • 平屋と2階建ての比較からわかること
  • 平屋のデメリットを解消する方法
  • 平屋が向いている人の特徴

そもそも平屋とは?

平屋とは、階層が1階層の造りとなっている住宅を指します。リビングや子供部屋、水回りなどの生活空間が、全てワンフロアにまとまっています。

平屋が人気の理由

平屋が人気な理由は、生活空間において無駄が削減される点です。無駄がないことで、不要なコストや移動時間を削減できます。

幼児やシニアにとって、階段の上り下りがなくなるだけでも、生活でのストレスは軽減されるでしょう。

平屋のメリット

ここでは、平屋のメリットについて具体的にまとめていきます。

  • 生活動線や家事動線がシンプルで効率的
  • メンテナンスコストを抑えやすい
  • 構造が安定している
  • 家族とのコミュニケーションがとりやすい
  • バリアフリーに適している
  • 耐震性に優れている

1つずつメリットを見ていきましょう。

生活動線や家事動線がシンプルで効率的

平屋の場合、生活動線や家事動線がシンプルで効率的です。

生活動線とは、住人が家の中を行き来する経路を線で表したものです。

また、家事動線は生活動線の一部であり、料理や洗濯、掃除などの家事をする人の行動を線で表したものと覚えておきましょう。

家事動線は、1〜2階を上下する垂直行動を含まず、水平移動でコンパクトにまとめるとシンプルなものにできます。

洗濯機が1階で、洗濯物を干すベランダが2階にあると、毎日重い洗濯物を持って2階に上がり、乾いたら持って降りなければなりません。平屋であれば、ストレスを感じずに調理をしながら、洗濯の様子が確認できる家事動線の実現も可能です。

メンテナンスコストを抑えやすい

平屋は2階建てに比べて、メンテナンスコストを抑えやすい構造です。

  • 10〜15年に1回程度の大規模修繕時に、2階建てのような大掛かりな足場を組まずに作業ができるため、足場代に加え修繕費自体も軽減できる
  • 階段や廊下のスペースがない分、光熱費やメンテナンス費用が不要である
  • 高さがないため、日々のメンテナンスを自分で行える

家庭用の脚立やハシゴで、ある程度の掃除や管理ができる点も平屋の魅力といえるでしょう。

構造が安定している

平屋は、上階がないため屋根の荷重だけを支えるだけで済み、上階の荷重を支えなければならない2階建てに比べ構造的に安定しています。

上階がないため、2階建てほど多くの耐力壁や構造柱を設ける必要がありません。そのため、見た目もすっきりとした生活空間を実現できます。

家族とのコミュニケーションがとりやすい

平屋に住むと、家族とのコミュニケーションがとりやすくなります。

平屋は、全ての居室がワンフロアに集結するため、各居室に出入りするためにリビングを経由する間取りになりがちです。

このような生活動線では、必然的に家族のコミュニケーションがとりやすく、お互いの状況も把握しやすくなります。

日々家族間のコミュニケーションがとりやすくなると、お互いの理解度も深まり理想的な暮らしが実現できるでしょう。

バリアフリーに適している

平屋の住宅は、バリアフリーにも適しています。

2階建ての場合、上階にトイレや洗面を計画するとその配管のために床を数十cm高くする必要があります。

一方、平屋の場合は床の下は基礎部分なので、ガスや水道のために床を高くする必要はなく、フロア全体をフラットに建築できます。

また、そもそも階段自体がないため、幼児やシニアにとって最適なバリアフリーといえるでしょう。

耐震性に優れている

平屋は構造上、上階からの荷重がないため構造的に安定しており、地震などの影響を低く抑えられます。

地震の振動は上階にいくほど影響を受けやすくなります。最低階数である平屋は、最も地震の振動による影響を受けにくい建物といえるでしょう。

また、建物の高さが低いため、周囲の高さのある建物に守られた形になって、風の影響も抑えられ耐候性も高まります。

平屋のデメリット

平屋には前述した大きなメリットがある一方で、デメリットも存在します。以下のデメリットを把握しておくことが重要です。

  • 広い敷地を確保しなければならない
  • 坪単価が高くなるケースがある
  • プライバシーや防犯面に注意が必要
  • 日当たりや風通しに注意が必要

順番に解説していきます。

広い敷地を確保しなければならない

平屋は、通常の2階建ての上階部分も1階に集中するため、建築面積が大きくなりその分の土地が必要になります。

建ぺい率は土地に対して一定なので、規定を満たすだけの面積を確保できないと確認申請が許可されません。

具体的に、延床面積100㎡(約30坪)の自宅を平屋と2階建てで建築する場合、建築法規上どれくらいの土地面積が必要になるかを検証します。

平屋は、建築面積100㎡で延床面積100㎡、2階建ては、建築面積50㎡で延床面積100㎡と条件を設定します。また、建ぺい率40%、容積率80%の設定です。

<平屋の場合>

延床面積(=建築面積)が建ぺい率40%の規定内に収まらなければなりません。

・延床面積

・建築面積

100㎡÷40%=250㎡(=約76坪)

上記の式より、80坪弱の土地面積が必要になります。

<2階建ての場合>

建築面積が建ぺい率40%内に収まり、かつ延床面積が容積率80%内に収まらなければなりません。

建築面積 50㎡÷40%=125㎡(約38坪)
延床面積 100㎡÷80%=125㎡(約38坪)

上記の計算によって、約40坪の土地面積が必要になります。この事例からもわかる通り、平屋で建てると2階建ての約2倍の土地面積を必要になるでしょう。

坪単価が高くなるケースがある

同じ延床面積の2階建てと工事坪単価を比較すると、平屋のほうが高くなる可能性があります。

なぜなら、同じ延床面積でも基礎と屋根の面積が大きくなるからです。

とはいえ、階段や廊下の費用が不要なだけではなく、その分居室面積を広げられるので、居室面積あたりの坪単価は平屋のほうが低い可能性もあります。

プライバシーや防犯面に注意が必要

平屋の場合、プライバシーや防犯面に注意する必要があります。

生活空間が全て1階にある平屋は、2階建てに比べて外部からの侵入が容易になりがちです。

侵入防止のブロック塀や、防犯カメラの設置などの検討も必要になるでしょう。

さらに、平屋は窓や扉などの開口部が通行人の目線の高さと合うケースが多く、プライバシーを保護するための目隠しやカーテンなどの工夫が必要になります。

日当たりや風通しに注意が必要

周囲の環境によりますが、隣接地が全て2階以上の建物の場合、それらの建物に遮られて日当たりや風通しが悪くなります。

配置計画をL字型にしたり中庭などを設けたりして、近隣の建物と距離をとって日当たりや風通しが確保できるように計画しましょう。

平屋と2階建てをさまざまな項目で比較

ここでは、平屋と2階建てのメリット・デメリットを踏まえ、ポイントごとに比較していきます。比較する項目は、家族構成や部屋数、生活スタイル、生活動線、土地の条件です。

比較項目 平屋 2階建て
 

家族構成

夫婦(子供無し)

DINKsには十分


DINKsには十分
夫婦+幼児(未就学)

幼児を世話しやすい

幼児の世話は1階がメイン

夫婦+小学生以上の子供
暮らしやすい

暮らしやすい
高齢夫婦(シニア)

階段昇降しなくてよい


2階の部屋が物置になりがち
 

部屋数

1LDK
DINKsに最適
子供1人までOK

構造的にどちらかと言えば不適

2LDK
家族4人までが適当

2階2部屋+1階リビング&水回り

3LDK

面積が広くなると土地面積が大きくなる

2階3部屋+1階リビング&水回り

4LDK以上

面積が広くなると土地面積が大きくなる


2階3部屋+1階リビング&水回り+居間
 

生活スタイル

コミュニケーション比較 家族共生型

コミュニケーションがとりやすい

家族独立型

家族それぞれの時間を過ごしやすい

 

生活動線

家事動線

最短の家事動線を作りやすい

上下階を利用する動線は避けるべき

 

土地の条件

同じ床面積で比較

必要な土地面積が広くなりがち

必要な土地面積は平屋の半分程度

日当たり・風通し

隣家の陰になりやすい

2階がある上に建物が隣家から離れやすい

※DINKsとは、Double Income No Kidsの略で、子供を持たない共働き2人世帯のことです。

この表より、家庭に子供やシニア世代がいる場合や家族間のコミュニケーションを重視する場合、生活動線を短くしたい場合は、平屋のほうが向いているでしょう。

また、部屋数の多い住宅や土地の条件が良い住宅を重視する場合は、2階建てのほうが向いているといえます。

自分にとっての優先順位を考えて、平屋か2階建てかを選択しましょう。

平屋のデメリットを解消する一般的な方法

日当たりや風通しの悪さなど、平屋のデメリットを解消する一般的な方法を見てみましょう。

解消方法として、以下の手法をとることが一般的です。

  • コの字型やロの字型の間取りにする
  • 道路側に対して建物をくの字型に配置する

デメリットを解消する方法がわかれば、平屋を建てることへの悩みもなくなるでしょう。

コの字型やロの字型の間取りにする

平屋の日当たりの悪さを改善するには、コの字型やロの字型に建物を配置する方法があります。

こうした配置にすると、建物の内側に中庭が造作でき、隣家に遮られず日差しを確保できます。

中庭に面した壁に大きなサッシを設置すれば風通しも確保できるため、快適さは格段にアップするでしょう。

道路側に対して建物をL字型に配置する

建物をL字型に配置するのも、平屋で風通しや採光、さらにプライバシーを確保するための一般的な手法です。

道路側に対して建物をL字型に配置し道路との間に中庭を造作すれば、建物の外壁まで距離が確保できて、十分な日差しをとり込めます。

また北側が道路であれば、その道路と平行に建物を配置し玄関を北側に、LDKを南側にレイアウトできます。

LDK前面に中庭をスペースできて、南面の採光と快適な風通しを両立できるでしょう。

どちらの場合も、窓や扉の開口部が道路から離れたところにレイアウトされるので、プライバシー確保の点でも安心できます。

平屋が向いている人の特徴

ここでは、どんな家庭が平屋に向いているか整理しておきましょう。平屋に向いている家庭は、以下の通りです。

  • 未就学の幼児がいる子育て家庭
  • 高齢夫婦のいる家庭
  • アウトドアなど多趣味で活動的な家庭

目の離せない幼児や階段の昇降が厳しい高齢者にとって、横移動しかない平屋は安全面を考えても最良の選択といえるでしょう。

また、生活空間を1階に集約する平屋は、どの部屋も外部との繋がりが強いといえます。そのため、ガーデニングやBBQなどを家族や友人と楽しみたい人にも適した住宅といえるでしょう。

平屋のデメリットを対策しながら理想の暮らしを手に入れよう

平屋は、日当たりの解消やプライバシーの確保ができれば、どの世代にとっても理想的な暮らしを実現できます。

幼児やシニア世代と一緒に暮らす方や家族とより深いコミュニケーションをとりたい方は、平屋住宅もぜひ検討してみてください。

アイフルホームでは、省コスト・高耐震で一人ひとりのライフスタイルに合った住宅を提案しています。建物の提案だけでなく土地情報の提供、住宅ローン相談も専門のスタッフが詳細に対応いたします。

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