住宅ローン借り換えのメリットやデメリットは?注意点・タイミングも解説
この記事では、住宅ローンを借り換えることのメリットやデメリット、注意点を解説していきます。
子供の教育費や老後も考え、「月々の住宅ローン返済を少なくしたい」と考えている人も多いのではないでしょうか。
住宅ローンの返済は月々の支出に占める割合も大きいので、まず住宅ローンの負担を減らしたいと考えるのも当然です。
住宅ローンの返済額を減らす方法として、住宅ローン借り換えは選択肢の1つです。住宅ローンの借り換えについて詳しく知りたい人は、ぜひ最後までお付き合いください。
【この記事でわかること】
- 住宅ローンの借り換えとは?
- 住宅ローン借り換えのメリット
- 住宅ローン借り換えのデメリット
- 住宅ローン借り換え時の注意点
- 住宅ローンを借り換えるタイミング
順番に解説していきます。
そもそも住宅ローンの借り換えとは?
住宅ローンの借り換えは、新しい金融機関で住宅ローンを契約し、現在利用している住宅ローンを一括返済してしまう方法です。
特に、月々の返済額を現在よりも低く抑えることが大きな目的といえます。
住宅ローンを借り換える理由
住宅ローンを借り換える理由は、以下の3つです。
- 低い金利のローンに変更して返済額を減らすため
- 返済額が減少した分を生活費や子どもの教育費に充てるため
- 低金利で推移しているうちに固定金利に変更するため
今後生活していく中で想定される負担増に備え、生活費に占める割合の高いローン返済を減らそうと考える人が多いといえます。
住宅ローン借り換えのメリット
住宅ローンを借り換えるメリットについて解説していきます。
- 総返済額の負担を減らせる
- 金利上昇のリスクに備えられる
- 団体信用生命保険(以下団信)の保障内容を充実させられる
順番に見ていきましょう。
総返済額の負担を減らせる
借り換えによって利息の負担額が減少するため、総返済額を軽減できます。
金融機関によっては、借り換え時に返済年数を延長して、月々の返済額を軽減してくれる場合もあります。
ただし、月々の返済額が減少する代わりに、返済期間が延長された分の金利負担が増え、総返済額は増加します。
住宅ローンに限らず、返済年数が短いほど総返済額を抑えた返済が可能です。
金利上昇のリスクに備えられる
住宅ローンの借り換え時に金利タイプが選択できるため、金利上昇のリスクに備えられる点
もメリットの1つです。
変動金利を利用している場合、低金利のうちに借り換えをして全期間固定型や固定期間選択型に変更すれば、将来の金利上昇リスクを回避できます。
ただし、金利は固定金利のほうが高いため、シミュレーションした上で借り換えのタイミングを検討する必要があります。
団体信用生命保険(以下団信)の保障内容を充実させられる
返済中の住宅ローンに付帯する団信は、その住宅ローンを利用している限り契約内容を変更できません。
一方で、住宅ローンの借り換えをすると、そのタイミングでより補償内容の充実した団信に加入できる可能性があります。
ただし、所定のがんに対する団信には年齢制限がある上に、新たに団信に加入する際に健康状態の告知義務がある点に注意してください。
住宅ローン借り換えのデメリット
住宅ローンを借り換える際のデメリットも確認しておきましょう。
- 思ったほど効果が出ないケースがある
- そもそも借り換えの審査に通らないケースがある
- 条件次第では住宅ローンの控除を受けられない
- プランの比較や必要書類の準備に手間が掛かる
上記のデメリットを確認した上で、借り換えを判断しましょう。
思ったほど効果が出ないケースがある
返済中のローンと、新たに借入れしようとしているローンの金利差が大きいほど、借り換え効果は高くなり返済額も低く抑えられるでしょう。
しかし、双方の金利差がそれほど大きくない場合、借り換えに掛かる諸費用を考慮すると思ったほど効果を得られない場合もあります。
事前に必要になる諸費用も計算に入れて、比較検討してください。
そもそも借り換えの審査に通らないケースがある
住宅ローンを利用して少なくとも数年が経過している場合、以下の事由により審査が厳しくなる可能性があります。
- 経年による物件担保評価の下落
- 本人の健康状態の低下
経年による物件担保価値の著しい低下が認められる場合、追加担保や自己資金が必要になることもあります。
また、健康状態の内容が芳しくないことで団信に加入できない場合は、ほとんどの金融機関で住宅ローンが組めません。
条件次第では住宅ローンの控除を受けられない
借り換え後も住宅ローン控除を受けるためには、以下の2つの要件を満たさなければなりません。
- 今回の借り換えが今までの住宅ローンを返済するためであることを証明出来ること
- 住宅ローン控除の適用要件を、今まで通り満たしていること
借り換えた場合、今までのローンを繰り上げ返済した証明のできる書類などを保管しておきましょう。合わせて、住宅ローン控除の適用要件も再度確認しておく必要があります。
プランの比較や必要書類の準備に手間が掛かる
借り換えを検討する際は、新たに適用される金利を元にシミュレーションして借り換え効果を検証しましょう。
また、借り換えを決定してからも、本人確認書類やローン返済表など必要な書類を一式揃えることに膨大な時間を要します。
準備に手間取り、時間が経過するうちに金利が上がるケースもあるため、常に市場に気を配りながら手際よく書類を用意しましょう。
必要書類は非常に多いので、リスト化してチェックしましょう。
住宅ローン借り換えの注意点
住宅ローンを借り換えるときに、どのような点に注意するべきか見ていきましょう。
- 諸費用・手数料を考慮する
- 住宅ローン以外の支払いで滞納がないか確認する
- 過去3年以内の健康状態を確認する
- 借り換えで損しないか事前にシミュレーションする
注意点を1つずつ確認します。
諸費用・手数料を考慮する
借り換えるときは、表面上の金利比較だけではなく借り換え時に必要になる諸費用もチェックしなければなりません。
借り換えるために、現在返済中のローン繰り上げで完済するための諸費用と、新しく借入れる住宅ローンの諸費用が二重にかかります。
現在返済中の住宅ローンを完済するための諸費用 | |
繰り上げ返済手数料 | 0円〜33,000円程度 |
抵当権抹消登記費用 | 登録免許税(不動産の数×1,000円)
司法書士手数料(10,000〜15,000円) |
新しく借入れる住宅ローンに掛かる諸費用 | |
ローン事務手数料 | 借入額×0.1〜0.2%程度 |
ローン保証料 | 借入金利に0.2%程度上乗せ |
印紙税 | 借入額に応じて2〜6万円程度 |
抵当権設定登記費用 | 登録免許税:借入額×0.1% 司法書士手数料(5〜10万円) |
金利が低くなっても、上表の諸費用が別途必要になるので、実際に諸費用をシミュレーションした上で、総支払額を比較してみると良いでしょう。
住宅ローン以外の支払いで滞納がないか確認する
住宅ローン以外の支払いで、滞納がないか確認することも必要です。
借り換え時の住宅ローン審査でも、過去にマイカーローンやクレジットの支払いなどを滞納して、信用情報にキズがあると審査を通過できない可能性があります。
また、契約しているクレジットカードの種類によっては、利用していなくても解約を求められる場合もあります。
自分の信用情報を確認したい場合は、CICやJICC(※)などの信用情報機関に事前に確認してください。
※CIC、JICCは、いずれもスマートフォン・パソコンから登録・確認可能
過去3年以内の健康状態を確認する
借り換え時は、過去3年以内の健康状態にも注意しましょう。
借り換える場合は、新たに団信にも加入する必要があります。団信に加入するためには、団信の保険会社が指定する審査に通過しなければなりません。
審査時には、過去3年程度の病歴・治療歴の告知義務があります。発症が過去3年より以前であっても、治療継続中であれば告知しなければなりません。
借り換えで損しないか事前にシミュレーションする
借り換え時は、新たに借入れた場合の月々の返済額や総支払額をシミュレーションして、どの程度の効果があるか確認しましょう。
シミュレーションの際は、前述の諸費用も計算してトータルの総支払額も比較してください。
諸費用を含めて総支払額を比較したら、借り換えたほうが若干高くなるケースもあるため、注意が必要です。
住宅ローンの借り換えタイミング
ここでは、住宅ローンを借り換える際に適したタイミングや注意点について解説します。
- 固定期間の優遇期間が終了するタイミング
- 金利タイプを変更したいタイミング
- より低い金利に借り換えできるタイミング
住宅ローンを賢く借り換えるためには、借り換えに適したタイミングの見極めが大切です。以下でタイミングを確認しましょう。
固定期間の優遇期間が終了するタイミング
一般的に、固定金利の優遇期間が終了すると金利が上昇する可能性が非常に高いので、優遇期間が満了する前に借り換えを検討しましょう。
優遇期間終了後の金利タイプを今までと同様の固定金利型にするか、金利の低い変動型にするかは、その時点の市場も踏まえて比較検討してください。
返済残額、残りの返済年数、金利を確認してシミュレーションしてみましょう。
金利タイプを変更したいタイミング
住宅ローンは、金利タイプを変更したいタイミングで借り換えても良いでしょう。
金利タイプの変更は、借入れ時の希望によって以下2つのパターンがあります。
- 現在は変動金利で、将来の金利上昇リスクに備えて低金利のうちに固定金利型に変更したい人
- 現在は固定金利で、市場の変動金利よりも金利が高いので低金利の変動金利型に変更したい人
金利タイプの選択は状況次第ですが、変動金利タイプは将来金利上昇リスクを理解しなければなりません。
より低い金利に借り換えできるタイミング
返済中の住宅ローンよりも低い金利の住宅ローンに借り換えられる場合は、シミュレーションしましょう。
金利差が1%であっても、諸費用を勘案した上で返済額が減少するなら、借り換えを検討して良いでしょう。
住宅ローンの借り換えに関するよくある質問
ここからは、住宅ローンの借り換えに関するよくある質問を紹介します。
- 住宅ローンの借り換えシミュレーションができるサイトは?
- 住宅ローンの借り換えは残高が1,000万円以下だと効果を得られない?
- 住宅ローンの借り換えで得する条件は?
順番に回答していきます。
住宅ローンの借り換えシミュレーションができるサイトは?
フラット35を取り扱う、住宅金融支援機構のホームページから借り換えシミュレーションができます。
ほかにも、各都市銀行や地方銀行のサイトでも借り換えシミュレーションができるので、借り換えを検討している金融機関のサイトを確認してください。
住宅金融支援機構の借り換えシミュレーションはこちら |
住宅ローンの借り換えは残高が1,000万円以下だと効果を得られない?
借り換えの効果が大きい条件として、ローン残高1,000万円以上といわれますが、絶対にこの要件を満たさないと効果がないわけではありません。
金利差や返済年数にもよるので、気になる条件があれば、まずシミュレーションしましょう。
住宅ローンの借り換えで得する条件は?
住宅ローンの借り換えで、得する条件は主に以下の4つです。
- ローンの残高が1,000万円以上
- 残りの返済年数が10年以上
- 借り換え前と借り換え後の金利差が1%以上
- 長期の固定金利で住宅ローンを組んでいる
借入れしている金融機関を変更しないで借入れ条件を変更する場合、固定金利から変動金利への変更が原則不可能です。
そのため、固定金利から変動金利に借り換えたい場合は、金融機関を変更して住宅ローンを借り換えることになります。
住宅ローンの借り換えはメリットを得られるかで検討しよう
住宅ローンの借り換えが自分とってメリットがあるかを判断するために、まずはローン残高、残りの返済年数、現在の借入れ金利などを確認しましょう。
ローン残高1,000万円以上、残りの返済年数10年以上、借り換え先との金利差が1%以上確認できれば、借り換えで得られるメリットは大きくなります。
ただし、実際に借り換えようとする場合は、条件に基づいてシミュレーションしてから判断しましょう。
効果的に住宅ローンを借り換えられれば返済額も減少し、毎日の生活やこれからの教育費などに対してもゆとりが生まれます。
気になる条件があったら、借り換えのシミュレーションサイトを利用して比較検討してみましょう。
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コラム監修者情報
木場昌也
二級建築士/ 1級施工管理技士
【現場管理】注文住宅・店舗 110棟
【販売】注文住宅 79棟
入社歴23年。8年現場監督経験を経て営業職に。
震災後は県内の品質管理、着工数の平準化を図るため工事管理職に従事。また注文住宅の安定供給、品質賞の受賞に携わる。
その後、ZEH普及、高気密・高断熱商品の開発、販売、店長職を兼任。